トウカイテイオーという馬の現役生活を文章にしようとすると、“しかし”とか“ところが”という逆接系接続詞がやたらと多くなります。
「さあこれから」という時にケガでとん挫し、「もう駄目だろう」と思われたところから鮮やかに復活する……あまりにも波乱万丈な生き様は逆接系接続詞を使わないと表現できないのです。

トウカイテイオーは私が競馬を始めて間もなく登場し、鮮烈なイメージを与えました。
三冠馬を父に持ち、無敗で二冠を制した時点での彼はエリート中のエリートであり、スマートな風貌から貴公子とさえ言われました。

若かりし頃にエリートに憧れる人は多いと思いますが、私もこの超エリートに憧れて競馬にのめり込むきっかけになったのです。

その後の彼の波乱に満ちた競走生活は私に『競馬にはドラマがある』ということをまざまざと見せつけます。

それと同時に『競走馬は繊細でアスリートのようにギリギリのところで戦っている』という現実も教えてもらいました。

さらに競馬を勉強していくと、シンボリルドルフ~トウカイテイオーというサイアーラインが世界的にも貴重なトウルビヨン系→パーソロン系の後継であることも知り、血統への知識を深める契機にもなったのです。

そしてもちろん私はトウカイテイオーの後継種牡馬の誕生を期待していましたが、実子トウカイポイントがマイルチャンピオンシップを勝った時にはすでにセン馬でしたし、現実が絶望的であると知った時には、サラブレッドが血を残すということがどれだけ難しいのかということも実感しました。

トウカイテイオー復活の有馬記念で初めて有馬の馬券を的中させてからもう20年が経とうとしているわけですが、私にとっての競馬の原点は今でもトウカイテイオーだと言っても過言ではありません。

バブルの終わりを感じながら競馬に明け暮れていたあの頃の、競馬に特別な夢を見ていた時代の最後を飾ったトウカイテイオーという競走馬は、私の中ではいつまでもあらゆる意味で特別な存在として記憶されていくだろうと思います。

トウカイテイオー号のご冥福をお祈りいたします。

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